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2004年10月 第51話  台風の当たり年

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今年はこれでもかこれでもかと言うほど台風の上陸が続く年でした。
5月中旬に始まり10月まで全部で10個が上陸という有様です。各方面への影響はもちろんですが、
今年は我々そば業界にとっても深刻な影響が忍び寄っています。

何度かご紹介をいたしましたが、日本の国産そばの生産は約40%を北海道が占めています。
北海道の刈り入れは概ね8月下旬から9月はじめですが、今年はその大切な収穫時期に台風が相次いで日本を縦断、特に台風18号は北海道に上陸をいたしました。
夏の生育時期には日照も多く今年は豊作しかも品質が良好との予想でしたが、最後の最後収穫をまじかに控えての被害でした。

今年の収穫量は例年の30%以下といわれております。
収穫時期が北海道より遅れる本州の各産地でも軒並み同様の被害のようです。

当店も例年とおり9月より新そばを使用しておりますが、原料を北海道に頼るところが多く、今年から来年にかけては国産原料確保が大きなテーマとなりました。
毎年産地指定で買い付け契約をいたしますが、今年は作柄が近年になく良質だったことが二重に悔やまれます。この時期はその香りと共に緑がかったそば本来の色が季節の風物となっておりますが、目で見る楽しみをぜひ味わって頂きたく思います。収穫後は時間と共に酸化による色変わりが避ける事のできないそばの特性ではありますが、国産そば石臼引きの本物を見極め、知って頂くまたとない機会でもあります。


さて一部の噂では
70%の不足分を外国産原料でまかなう(国産と外国産を混ぜる)事も取りざたされておりますが、それだけは絶対阻止する思いです。もともと外国産原料を使用しておられるお店(全そば店の80%のお店)にとってはまったく無関係の話かもしれませんが、我々にとっては大問題・死活問題となります。
先月号の「情報開示」でもお話をいたしましたが、安心・信頼をしてお食べ頂くためにも経過のご報告はしていく所存でございます。

業界としてはお恥ずかしい話ではありますが、一昨年・昨年と北海道の製粉業者で外国産を国内産と偽ったり、国内産と混ぜて出荷した経緯がございました。新聞沙汰にもなり刑事告発もされましたが悲しい限りの事件です。製粉したそば粉は外見ではほとんど見分けがつきませんが製麺をすれば一目瞭然です。
「悪化は良貨を駆逐する」ではありませんがたとえ何割でも混合した悪い粉に引っ張られるのがそば粉の習性であります。今回は天災による致し方ないこととはいえお互いの情報の開示は徹底して行いたいと考えております。

供給大幅減となるそばに関しては国家の救済もなく仕入れ価格も高騰というのが常ではありますが、
業界を挙げての救済の動きをとっていく方向性も検討されておりますし、10月に種をまく九州地方での増産も当然されることになると予想されます。通常ではお目にかけることのできない南の産地をお届けできる機会も「災い転じて・・・」かもしれ
ません。その点は乞うご期待であります。